怪文書 No.3
ここは友達に不定期に送りつけているBL妄言(個人的に怪文書と呼んでいる)を書きためておくところです。
R18かもしれんから、未成年は自己責任で見ろよ!
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乳首当てゲームして秒で負ける生意気受け。
「暇だな......」
その言葉を発したのは、他でもない受けの方だった。
夏の暑い日。爽やかな汗が、受けの体を濡らす。
スポーツで得られた筋肉は、不自然に盛り上がっているところはない。
背中、胸、腕、脚......全ての部位が適度に引き締まっており、美しい曲線を描いている。
「まぁ、自習だしな」
攻めの声が狭い倉庫内で響く。
体育倉庫の中、自習だからと各々の理由でだらけている二人は、その退屈を凌ぐための方法を探していた。
「まさかお前もサボりとはね」
攻めが、不思議そうに言う。
長身ではあるが、体育着から伸びる手足は中肉。誰がどう見ても、運動する体ではない。
だからこそ、不思議だった。
「お前、スポーツ好きじゃないの?」
「全然?やれるからやってるだけだよ......はぁ」
その返答は、攻めにとっては意外なもので。しかし、その口調やため息、今ここにいると言う事実こそが、その言葉が真実なのだと物語っている。
「へぇ......羨ましいな、全く」
「そんな良いもんじゃないさ、それより俺は、お前がサボってるってのがだいぶ新鮮だぜ、委員長?」
「……まあ、優等生で通してるけどなぁ……
やらないで良いんならやりたくないね」
「はは、同感」
他愛もない会話で、時間が過ぎていく。クーラーの届かない真夏の倉庫は、いるだけで汗ばむほど暑い。
「......なぁ、なんか暇潰せるゲーム知らない?」
「あー……しりとりでもする?」
「やだよ、ガキじゃねぇんだから」
「……ガキじゃない、って……
じゃあガキくさくない遊びがいいのか?」
「んー、そうだな、ある?何か」
そこで会話が一瞬途切れた。それは考え込んでのことではなく、攻めの煩悩が、一つの答えを導き出してしまったためである。
「あっ、…………あー、一つ思いついた……」
「おっ、なになに?」
「あのさ……
乳首当てゲーム、ってどうかな……」
受けの顔が、みるみる青くなった。
「え、お前、そう言う趣味して......」
「っあ゛ー!違う違う違う!いや違わないけど……
っ、じゃなくて!お前がゲームしたいつったんだろ!?」
「いや、仮にも優等生の友達からそんな言葉出て来ると思わねぇじゃん!?なに乳首当てゲームって!?」
「乳首当てるゲームだよ!」
「知ってるよォ゛!!!!!!」
受けの綺麗な顔も、この時ばかりはよくわからない感情で歪んでいた。少しウェーブのかかった、いわゆる猫ッ毛の髪を振り乱しながら、全力で抗議する。
「やだやだやだやだ怖い怖い怖い!なんでさ!?」
「なんでって……………っ、お、お前、っが!!
ゲームしようって言ってきたんだろ!?」
「それしか言わねぇなさっきから!?なに?俺が悪いのこれ!?」
「この際そうだよ!」
「そうなの!?」
「っ、あー、あー!わかったよやるよ!もぅ……」
とうとう受けも根負けして、積まれたマットから飛び降りる。
じゃんけんで負けてしまったので、攻めが先行となった。
そこで、ある事実に気付いてしまった。
「?、ど、どうしたよ……早くやれよ、終わんねぇだろ!?」
顔を真っ赤にして、すこし俯きぎみに受けが言う。
日に焼けた肌が窓からの光に照らされて、あどけない可愛さを......
とか、そんな場合ではない。
問題なのは、受けの体育着である。
先ほどから、この暑い部屋で汗だくになっていたのだから、必然ではある。
だが。
乳首、透けてる。
乳首、すでに透けてる。
もうどうしようもない。勝つしかない。見えてるんだもの。
攻めは、しかし躊躇していた。本当にいいのか?一発で勝っていいものか?こう言うのって……
でも見えてんだよな。チクショウ、誘いやがって……
ええい、ままよ!
攻めは行き場をなくした両手を、真っ直ぐ受けの乳首へと突き立てた。
「ん゛ぅっ……♡」
瞬間、甘い声が受けの口から漏れる。
お互い、信じられない、と言った面持ちで、顔を見合わせた。
「ぅ、あ、え、えーと…………
ち、乳首、弱いんだな……」
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終わり。
また続きそうなものが生まれてしまった。